連年贈与と税務署の判断されないためのポイント
相続税を減らすための代表的な対策法のひとつが「生前贈与」です。相続税の課税対象となる財産を相続人に渡すことで、相続税を減らしながら、相続人が納税するための資金を用意することができます。とはいえ、正しい手順を踏んでいないとかえって高額な贈与税を求められることもあります。
名義預金トラブルも生前贈与の失敗例
名義預金によるトラブルも、そういった生前贈与の失敗例のひとつです。名義預金とは、贈与者が自身の財産を、受贈者名義の口座に移していくことをいいます。この場合、毎年110万円ずつ入金していけば贈与として問題ないものだと考えてしまいがちですが、そうではありません。
贈与とは、受贈者と贈与者の双方の合意が前提であるため、それを行ったうえで財産を渡していると証明する必要があります。ただ受贈者名義の口座に移しているだけで、その口座を贈与者が管理している場合などは認められないのです。
そのため、この方法で贈与をするとしても、贈与財産が入った口座は受贈者が管理している必要があります。
税務署の調査員に連年贈与と判断される
また、名義預金ではなくきちんと受贈者に通帳を託したうえで贈与したとしても、あとから税務署に指摘され、認められなくなる場合もあります。それが、毎年同じ日に、同じ金額を贈与しているケースなど。これを連年贈与といいます。
贈与者が受贈者に毎年110万円の贈与を8年間続けていたとすると、税務署の調査員は連年贈与としてはじめから880万円の贈与をしようとしていたと判断。課税される可能性があるのです。
税務署の調査では預貯金の動きをチェックするの基本です。贈与するときの注意点としては「贈与する額は毎年変えておく」「毎年同じ日に贈与しない」「贈与契約書は毎年取り交わす」です。
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