遺産分割協議書に求められる3つの条件とは?
遺産分割の割合や方法などが決まったら「遺産分割協議書」を作ることになります。遺産分割協議書は、相続人たちの間では契約書として、外部に対しては証明書としての役割があります。それでは、実際にこの遺産分割協議書はどのようにして作ればいいのでしょうか。遺産分割協議書の作成手順について解説します。
遺産分割協議書は縦書きも横書きも可
遺産分割協議書に決まった形式はありません。フォーマットが用意されているわけではないため、相続人がゼロから作成します。
遺産分割協議書に求められる条件は「誰がなにを受け取るのか、すべて明確に記載されていること」「相続人全員の署名と実印による捺印がされていること」「協議が成立した日付が正確に記されていること」です。
この条件さえ満たしていれば、縦書きでも横書きでも可。紙の大きさや枚数にも制限はなく、パソコンで作って印刷したものでも問題ありません。
相続財産については、財産目録のときと同様、正確な記載が求められます。たとえば預貯金について、誰がいくらもらうといった曖昧なことではなく、どの銀行の口座に納められている貯金なのかということまで詳細に書かなければいけません。
遺産分割協議書は相続財産すべて記録
また、不動産については、登記簿を確認し、その内容を誤りがないように正確に記載することが求められます。土地については、所在地、地番、面積まで、建物なら所在地に家屋番号、木造、RC造などといった建物の構造、階数、床面積などまで記載することが必須です。
また、大前提として、この協議には相続人全員が参加していることと、相続財産がすべて記録されていることが求められます。
もしどちらかに不足があった場合、協議自体が無効になってしまい、改めて相続人全員とすべての財産が揃った状態で協議をやり直さなければいけません。戸籍や相続財産の確認は怠らないように注意してください。
なお、相続人が未成年の場合には特別代理人を、意思能力なしと判断された障害者であれば、成年後見人を立てることになります。成年後見人は、家庭裁判所に申し立てて準備してもらわなければなりません。時間がかかってしまいがちなので、この手続きはできるだけ早く済ませておくことをおすすめします。