遺産分割が配偶者優位に民放が大幅に改正された
「現物分割・換価分割・代償分割・共有」のどの方法をとるとしても、分割協議を行ううえで重要視されるのは、全員が合意しているかどうかということ。分割の割合だけに関していえば不公平にみえたとしても、合意は合理性だけで決まるものではありません。相続人間で納得できる条件となればよいのです。
遺産分割が不和の原因にならない方法
たとえば被相続人との関係性が良好であったかどうか、老後の世話をしていたかどうかなども、考慮される場合があります。そこまで考えたうえで、全員が合意しているのであれば、それを第三者が否定することはできません。
ただし、これは裏を返すと一度合意してしまえば、それを覆すのは困難だということ。土地や株式などの相続財産は、価格が変動するものなので、その動きによっては損してしまうかもしれません。そのようなことがないように、財産の価値はくれぐれも注意して確認することが重要になります。
一度合意した遺産分割に不平をいって、後に家族間の不和の原因になるようなことがないように、その方法まできちんと話し合って決めるようにする必要があるのです。
結婚20年以上の夫婦の自宅の遺産分割
なお、相続人が自宅を所持していたケースでは、多くの場合、その不動産の価格は相続財産のなかでも大きな割合を占めることになります。しかし、だからといって配偶者と子どもたちの間で自宅を分割し、相続を行うようなことになっては、配偶者は住む家を失ってしまうことになります。
そんな事態を避けるため、約40年ぶりに相続に関する民法が大幅に改正され、施行されることになりました。この改正によって、結婚20年以上の夫婦の場合は、自宅は遺産分割から外されることになるため、配偶者が自宅を奪われたり、多額の代償金を相続によって要求されたりすることがなくなるのです。
この改正では、そのほかにも遺言制度や相続人以外から被相続人に対する貢献の考慮なども変更されました。これから相続が大きく変わることになるでしょう。