銀行が取扱う保険商品でも元本割れには要注意
銀行だからと信用するのは危険。保険商品はよく吟味しないと、思わぬ損失を招くことになるケースがあります。早くに夫を病気で亡くしたMさん。子どもは独立しており、現在は自宅でのひとり暮らしです。すでに高齢ですが、夫が残してくれた貯蓄と年金などを受け取りつつ、慎ましく生活しています。
口座を持っている銀行に保険相談
持病はないものの、親や祖父ががんで亡くなっていたこともあり、それに備えつつ子どもたちにより多く資産を残したいと、節税もかねて生命保険への加入を考えました。
そこでまずは、口座を持っている銀行に相談。節税をしつつ、重い病気への保障も受けられる保険に入りたいと伝え、ある保険に加入しました。銀行の紹介なら安心だろうと、なんの疑いも持たなかったのです。
数年が経ったころ、孫を連れて遊びに来ていた子どもたちから、ずっとひとり暮らしだけど、なにか備えなどはしているかと尋ねられました。そこではじめて、子どもたちに保険のことについて説明したのです。
お互いにそれなら安心だろうということで、このときはそのまま帰ったのですが、後日電話があり、その保険について詳しく教えてほしいと相談がありました。
銀行ですすめられた保険は外貨建て
契約内容を説明したところ、子どもが保険アドバイザーとともに来訪。改めて保険の契約内容を話したところ、その保険に契約したのは失敗だったといわれてしまったのです。
よくよく話を聞いてみると、じつは銀行ですすめられたその保険は短期では元本割れする外貨建ての商品。外貨建ては為替による利益が出る場合もありますが、一般的に手数料が高くハイリスクです。
Mさんは元本保証と勘違いしていたため、大慌て。すぐにでも解約しようと考えました。しかし、短期で解約してしまうと返戻金はとても安く、さらにマイナスになってしまいます。結局、Mさんはそのままどうすることもできず、子どもたちのためにと思い用意した生命保険の保険金は大きく目減りしてしまったのです。