家づくりにおける防犯のチェックポイントは?
警察庁のデータによると、2016年の住宅に対する侵入窃盗は3万9249件発生しています。2004年以降は減少傾向にありますが、それでも1日あたり約107件もの家が被害に遭っている計算です。被害の約4割が戸建て住宅で、侵入手口の約3分の1は空き巣。家づくりにおける防犯のチェックポイントを見ていきましょう。
窓ガラスを音をほとんど立てずに割る
侵入窃盗の侵入手口は約3分の1が「空き巣」ですが、在宅中に侵入する「忍び込み」と「居空き」による手口も、被害全体の約16%を占めています。鉢合わせして犯人が家人の身に害を与えるケースもあり、2016年は156件の強盗殺人・強盗致傷事件が発生しました。
泥棒が狙うのは「入りやすくて逃げやすい家」です。手慣れたプロなら5分から10分で仕事を済ませることができるので、幼稚園バスの見送りなどのちょっとした間に空いた、無施錠の家は格好の餌食だといえます。
施錠が完ぺきでも、窓ガラスを割って侵入することも少なくありません。音をほとんど立てずに割られてしまうため、気づかないケースも多いようです。
戸建ての場合、2階は安心と思いがちですが、足場さえあれば容易に入り込むことが可能。高い塀も、プライバシーを守るのには有効ですが、外からの見通しが悪いので一度忍び込まれたら外から気づかれにくいというデメリットもあります。
手間がかかると思わせる防犯対策
泥棒は犯行前にかならず下見を行い、入りやすそうな家をチェックするといいます。侵入に5分以上かかりそうな家は、7割の泥棒が諦めるというデータもあります。
つまり、「手間がかかりそう」だと思わせるのが、最大の防犯対策といえます。そのためにはまず、侵入経路を与えないことが大事です。屋根や物置の位置関係には十分気をつけてください。
また、塀はフェンスや生垣など、人の気配が感じられるものがおすすめ。芝生は足音を消してしまうため、防犯効果を高めたい場合は砂利を敷くのが基本です。
人が近づいたら点灯する防犯用のフラッシュライトも、設置しておくだけで警戒度が高まります。2階のベランダも、囲いを半透明にするなど、隠れることができる場所をつくらないようにするのが効果的です。