預貯金の相続ではキャッシュカード引き出しNG
遺産相続にはさまざまな手続きが必要になってきます。期限がある手続きも多く、注意が必要なものもあるのです。わからないことは逐一確認しながら、スムーズな相続手続きを目指さなければなりません。さっそく、相続手続きの一連の流れと期限を確認していきましょう。
相続財産で思い浮かぶものに預貯金
遺産分割の方法や内訳が決まったら、次は実際に財産を受け取り、相続することになります。これは、単に現金を受け取って終わりというわけにはいかず、名義の変更や受け取りなどの公的な手続きを行わなければいけません。
相続する財産には預貯金や株式、不動産など、さまざまなものがあり、その種類によって相続するための手続きも異なります。事前に方法や手順を確認し、いざというときにすぐに手続きに移れるようにしておくことが大切です。
相続財産といわれて最初に思い浮かぶもののひとつに預貯金があります。当然ながら、これを相続するためには引き落としを行うか、口座を移さなければいけません。
しかし、そこで単に被相続人のキャッシュカードを使い、すぐさま引き出してしまうのでは問題があります。ただ口座から引き出しただけでは、誰が受け取ったのかがわかりません。
そのため、被相続人からの贈与と区別がつかなくなります。相続として資金を引き出すためには正しい手順を踏まなければいけません。
預貯金を相続にはまず銀行などへ連絡
預貯金を相続する手順のひとつ目が、銀行などへの連絡。契約している被相続人が亡くなった旨を、該当の金融機関に伝えます。連絡を受けた機関は、口座を凍結。誰も資金を引き出せなくなります。
もしその口座からの引き落としで公共料金などを支払っている場合は、すぐに契約解除や切り替えの手続きを行います。
口座の凍結を行うのは、相続人の誰かが勝手に預貯金を引き出してしまうようなことを防ぐため。通帳が故人の家のどこかに保管されている場合、相続人のひとりが勝手に持ち出して、引き出してしまうのも不可能ではありません。
もちろんそのような行為はほかの相続人の相続分に対する侵害にあたります。そのため、無断で引き出したことがわかれば分割協議でも不利に働きますが、そもそも引き出し人の判定も容易ではないのです。
また、この連絡を行う際、その金融機関と被相続人との間で、投資や負債などのやりとりはなかったかも一緒に確認することをおすすめします。