食品添加物の用途名併記と一括名表示の落とし穴
食品添加物は、原則としてすべて物質名を表示することになっています。アスパルテーム、アセスルファムK(カリウム)、赤102、カラメル色素、ビタミンC といった具体的な名称が物質名です。それらは用途によって、甘味料、着色料、酸化防止剤などに分類されています。
食品添加物の毒性が強い用途名併記
そして、その用途名を併記することが義務付けられているものがあり、これを「用途名併記」といいます。たとえば、アセスルファムK は「甘味料(アセスルファムK)」と表示されていますが、これが用途名併記です。「着色料(赤102)」、「酸化防止剤(ビタミンC)」などもそうです。
用途名併記が義務付けられている食品添加物は、毒性の強いものが多いので要注意です。ただし、ビタミンC やE のように毒性がほとんどないものも少ないながらあります。
食品添加物は原則としてすべて物質名が表示され、一部は用途名併記されるため、消費者は原材料を見れば、使用添加物がすべて分かるはずなのですが、実際には違います。それは、「一括名表示」という大きな“抜け穴”があるためです。
一括名表示が認められた食品添加物
一括名とは、実際には用途名とほぼ同じ。酸味料、香料、乳化剤、pH 調整剤などが一括名です。一括名表示が認められている食品添加物は、物質名ではなく、一括名のみを表示するだけでよいのです。
たとえば、乳酸とクエン酸、リンゴ酸が酸味料として使われた場合、それらの物質名ではなく、「酸味料」とだけ表示すればよいのです。それぞれの一括名に当てはまる食品添加物は、おおよそ数十品目あり、大半の食品添加物はいずれかの一括名に当てはまるため、物質名が表示されないことになってしまうのです。
とても重要な点として、一括名表示が認められた食品添加物は、全般的にそれほど危険性の高いものはありません。合成香料のなかには、毒性の強いものもありますが、一般に添加量が微量なので影響は少ないと考えられています。