駅名標を含め統一された京王線のサインシステム
京王電鉄は古くからロケーションサービスに力を入れており、90年代のテレビドラマのロケ地として、全国のお茶の間で目にすることも多かった大手私鉄。和文、欧文ともに“新ゴ”を使用しているが、かつてはいずれも“ゴナ”が使われていた。京王電鉄の駅名標について見ていこう。
調布駅の駅名標はフィルムイメージ
日英それぞれの表記を同じ書体で統一していることが、駅名標をはじめとする京王のサインシステムの特徴だ。写真では分かりづらいが、文字色は黒ではなく焦げ茶色であることも、もじ鉄として要チェック!
日活調布撮影所、角川大映スタジオと、2つの撮影スタジオがあることで有名な“映画のまち 調布”。そのため、調布駅の駅名標や案内標などのサインはフィルムをイメージしたデザインに。遊び心は人の目を惹きつける!
新国立競技場の設計などで有名な建築家の隈研吾さんが手がけられた、木材を活かした高尾山口駅の駅舎デザインに合わせ、駅名標も木目調に変化。書体は和文(漢字)が“きざはし金陵”、欧文は“Clarendon”だ。
駅名標だけでなく番線標もフィルム
なお、調布駅にある映画仕様の新しいサインは駅名標だけでなく、あらゆる場所で見ることができる。例えば番線標。デザインが丸ごと変わるのではなく、あくまでも通常のフォーマットを崩すことなく、ワンポイントとしてフィルムの模様が挿入されている。
実はこのワンポイントが重要! 調布駅とそれ以外の駅とで完全にテイストが変わってしまっては、サインとして意味をなさないからである。
サインというのはサインシステム、つまりシステムであって、人々を目的地へ導くための大事な道しるべ。その道しるべが行く先々で違うデザインをしていたらどうだろう。戸惑ってしまうのではないだろうか。
なので、ご当地仕様のサインでも、ベースは変えず装飾を多少変更する、もしくは加える程度に抑えてあるのだ……と、知ったようなことを書いているが、あくまでも筆者の個人的な考えであり、責任は持てない。マウスより重いものも持てない。