JR東日本の駅名標は絶対的な安定感に変わりナシ
JR東日本の正式名称は東日本旅客鉄道。“ 鉄”の字は“ 金”に“ 失”ではなく“ 金”に“ 矢”と上部のラインが突き出ない。金を失う、という縁起の悪さからだ。そんなJR東日本の駅名標について見ていこう。JR東日本は駅名標デザインの代表格。これが日本の駅名標といっても過言ではない。
駅名標における代表格とも言える存在
2016年8月20日、山手線目黒駅を皮切りに首都圏エリアで導入されたナンバリングに合わせ、新しい駅名標が続々と登場。デザイン自体はこれまでのスタイルを踏襲し、自駅名の左に駅番号が付くレイアウト。
書体も一世代前と同様に“新ゴ”と“Helvetica”が用いられ、絶対的な安定感に変わりはない。駅名標における代表格とも言える存在だ。
駅番号の角の丸みは他の鉄道会社より比較的鋭角だが、これはスリーレターコードの黒枠を考慮したデザインであると考えられる。つまり、駅番号の角が滑らかすぎると外周の黒枠がより滑らかになり、デザイン上不安定に見えてしまう可能性があるからだ。計算されたデザインである。
“ゴナ”ベースの駅名標用の書体
新宿駅では1989年より試験的なサイン計画がはじまり、JR東日本におけるサインシステムの基礎ともなった。湾曲した駅名標は当時の面影を残している。
整備が進むホームドアにも注目! 号車・ドア番号表記の数字は、ナンバリングと同様の“Frutiger”が用いられ、JR東日本に限らずサインシステム全般における欧文書体の一大勢力を築いている。
デザイン自体にあまり変化は見られないが、以前のJR東日本は仮名表記がメインの駅名標であった。和文は“ゴナ”のようにも見えるが、濁点の位置が異なる。これは“ゴナ”をベースにした駅名標用の書体であり、住友スリーエムが制作。“偽ゴナ”などとも呼ばれているが、消え行く運命となると寂しい。
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