高齢者の医療保険における入院給付金の考え方
医療保険の入院給付金日額が高くなればなるほど、当然保険料も上がります。世代ごとの疾病入院に対する入院給付金日額の平均を見てみると、それほど世代による違いはありませんが、後期高齢者医療制度による自己負担軽減の影響か、定年後の世代の方が安くなっています。
医療保険の入院給付金には日数の上限
医療保険における入院給付金は、何日入院していても無尽蔵に支払われるものではありません。これには支払限度日数という上限が定められています。また、この限度日数には、1回の入院における上限と保障期間全体での上限のふたつがあります。当然、限度日数が長い方が保険料は高額になります。
ちなみに「1回の入院」と書きましたが、これは一度も退院せず、継続的に入院し続けていたという意味ではありません。退院から入院までの間に多少期間があっても、180日以内に入院することになった場合、それは再入院となり、「1回の入院」として数えられます。
そのうえ、最近は原因となる病気などが異なっていたとしても、短期間での再入院は1回の入院と数える商品が多いため、短すぎる期間設定にも注意しなければいけません。
高齢者の医療保険は保険料を抑える
年齢が上がると、それだけ大きな病気をする可能性は高くなります。それに伴い、入院日数も増加するので、高齢者の医療保険では入院給付金日額は高く、限度日数も長く設定した方がいいと考える人は多いでしょう。かつてはそれを考えて、高額な給付金が受け取れる医療保険に加入する人が多くいたのも事実です。
しかし、近年は全般的に入院期間自体が短縮傾向にあります。自宅での療養を希望する人も多く、通院や短期入院による治療を病院としても推奨している部分もあるのです。そのため給付金を高く設定するより、それを安くすることで、保険料全体を抑える方が賢明だと考えることができます。
高齢者になれば入院のリスク自体は高まるため、それに対する保障を用意しておくことは重要なことです。しかし、やはり生命保険などと同様に、あくまでも収支のバランスをみて保険料が生活の負担にならないようにコントロールすることが大切なのです。