マイホーム購入の消費税は物件タイプで変化する
いまマイホームの購入を考えている人の多くが気になっているのが、2019年10月に予定されている消費税率の引き上げでしょう。住宅のような大きな買い物をするうえでは、2%の変化でも大きな影響が出てきます。そう考えて、購入を早めた人の割合が40%ほどという2017年度の調査結果もあります。
マイホームの消費税引き上げ経過措置
この割合は、これから増税が近づき、駆け込み需要が喚起されることで高くなっていくと考えられます。しかし、マイホームに関しては税率引き上げに伴う経過措置がとられており、単純に必要な資金が多くなるだけとは限りません。そこで、税率引き上げと経過措置によって住宅購入がどのように変わるのか、詳しくみていきます。
そもそも、住宅購入には、物件の購入費用以外にもさまざまな費用が必要になります。物件価格が高額なのはいうまでもありませんが、それ以外の費用も決して安くはありません。問題は消費税が課せられる対象がどれくらいあるのかということです。
まず、新築の戸建ての場合、物件の購入費用のほかに、土地の仲介や住宅ローン融資、登記にかかる手数料、追加で工事が必要なオプション設備の費用、引っ越しにかかる費用などに消費税が課せられます。
中古住宅購入には消費税がかからない
中古住宅になると、不動産会社から直接物件を買う場合を除き、マイホーム購入費用に消費税はかからなくなります。その代わり、土地だけでなく、物件の仲介には仲介手数料がかかります。
また、戸建ての場合、入居後に依頼し物件のメンテナンスを行わなければいけません。そのための費用に、消費税はかかります。
これが、マンションの場合は不要になります。毎月管理費と修繕積立金を支払いますが、非課税です。もちろん、個人で室内をリフォームする場合は別です。
火災保険や地震保険の保険料、各種税金、ローンの保証料などには消費税は必要ありません。
マイホーム代金の支払いと消費税
マイホーム代金の支払いと課税は、物件を引き渡すタイミングで行われます。つまり、家が完成して、入居するときに代金を支払い、その代金に税金が課せられるわけです。
物件によって完成や入居までに必要な時間は異なり、計画通りに進むとも限りません。そのため、早くしないと2019年10月までの完成に間に合わないだろうと考えてしまう人がいても不思議ではありません。
そんな不安を解消するために、住宅購入にかかる資金への課税には特別なスケジュールが組まれているのです。物件の引き渡しが増税後であっても、その6カ月前、19年の4月1日までに住宅の売買契約を結んでいれば、旧税率のままで購入できるのです。
消費税8%の状態で購入したいと考えるなら、このスケジュールを知っておくことが大切です。
大きな損をせずにマイホーム購入
そもそも増税前に焦ってマイホームを購入しなくても、大きな損をせずに購入できる制度があります。それが、経過措置とよばれるものです。この経過措置として代表的な制度が、住宅ローン控除、すまい給付金、住宅取得等資金の贈与税の非課税制度の3つです。
これらは消費税が5%から8%に引き上げられたときに施行され、それ以降継続して適用されている制度です。今回税率が8%から10%へ引き上げられるにあたり、この経過措置も条件の拡充や期間の延長が行われることになります。
住宅ローン控除の場合、10%の消費税が課せられる人は、2021年の12月までに入居すれば、控除を受けることができます。
すまい給付金は、物件を消費税10%のときに購入したか8%のときに購入したかで給付額が変わります。消費税額に合わせて確認しておきましょう。
ただしこの制度は消費税が適用される物件が対象です。そのため、消費税がかからない中古物件の場合、いくら高額な物件であっても、給付を受けることはできません。
これらの制度を上手に利用すれば、増税後でもお得に住宅を購入できる可能性もあります。自分の収入などを考え、どちらが得になるのかを事前に確認しておくことが大切です。