中古マンションのリフォーム費用は150万円程度
マイホーム選びにおける中古物件の魅力は、やはりなんといっても物件価格の安さにあります。戸建てでもマンションでも、エリアや広さ、間取りなどの条件がほぼ同じ場合であれば、中古物件の方が安くなります。また、都市部で利便性の高い場所は、中古、新築ともにマンションが豊富です。
物件が古いほどメンテナンスが必須
しかし都市部は、土地の問題で新築マンションが多くつくられるとはいいがたく、発売されても需要が大きいため、売り切れるのも早くなっています。これでは、購入するだけでも大変です。
物件のタイプも、ファミリー向けのものがほとんど。夫婦やシングルでマイホームを探すなら、中古マンションの方が探しやすいかもしれません。
一方、中古の戸建ては、間取りや設備などは古くても家の広さ自体は新築よりも広くなる傾向があります。なかには新築ではなかなかお目にかかれない5部屋以上ある家もあるので、家族の多い人や広い家を求めている人は、中古の戸建ても候補に入れてもよいでしょう。
しかし、物件価格の安さだけにとらわれると思わぬ落とし穴があるかもしれません。たとえば、物件が古ければ古いほどメンテナンスが必須になります。築20年以上の中古マンションであれば室内の配管、戸建てなら床下や柱などの構造部分、外壁、屋根などをプロの目でチェックしてもらうようにしましょう。
中古マンションのリフォーム費用
中古物件の価格は、だいたい築15年程度で落ち着くといわれています。しかし、築15年の中古物件となると、リフォーム費用もそれなりに必要になります。
たとえばマンションなら、クリーニングや畳の表替え、クロスの交換、給湯設備、ユニットバス、温水洗浄便座などの交換で約150万円程度は必要になります。
一方、戸建てならマンションと同じリフォームに加えて、外壁塗装や屋根の補修なども加わるため、およそ100万円プラスの約250万円程度は必要になると考えられます。この点も考慮に入れておきましょう。
また、中古物件は物件を紹介した事業者に仲介手数料を払う必要があります。購入諸費用だけをみると、新築よりも中古物件の方が購入時に多額の現金を用意しなければならないので注意が必要です。
中古マンション購入前に最初の設計図書
中古物件というと、どうしても中古マンションをイメージしてしまいます。マンションは建物自体の資産価値がそれほど下がらないので、それなりに流通していました。一方で、戸建て住宅の寿命は20年程度と考えられていましたから、中古となるとすぐに寿命に達してしまいます。そのため、中古の戸建て物件はあまり流通していなかったのです。
ところが現在、少子高齢化に伴う空き家対策の一環として、国土交通省が中古住宅の流通を促進しています。長く住み続けることができる長期優良住宅に補助金を出すなど、住宅自体の性能が高まっていることとも相まって、中古の戸建て住宅にも注目が集まりつつあります。
とはいえ、マンションでも戸建てでも、中古物件を購入する際に気をつけたいのが、新築物件のような情報がないことです。新築なら設備や間取りなどに関しても施工業者がきちんと把握しているので安心ですが、中古の場合、オーナーが手を入れている可能性があります。
そのため、購入前に最初の設計図書を入手するようにしたいところです。さらに、その物件がもともとどのような土地に建っているのか、地盤はどうかなどといったことも調べておく必要があります。
中古だからこそ利便性の高い物件を選ぶ
また、安いからといって利便性の低い物件に手を出すのはあまりおすすめできません。中古だからこそ都市の中心部にあって駅から近い、利便性の高い物件を選ぶ方がベターです。中古物件は建物自体の価値が低くなっていますから、利便性の高い物件の方が、将来的に価値の下落が抑えられると考えて選んだ方がいいのです。
限られた予算のなかでできるだけ理想に近いマイホームを手に入れるためには、新築にこだわる必要はないかもしれません。最近は、エリアと価格重視で中古の物件を購入し、好きなようにリフォームして暮らすというスタイルも人気です。
中古物件も選択肢のひとつにすれば、選択の幅がグンと広がりますから、理想のマイホームに出会う可能性も高くなるかもしれません。