住宅ローンの借入額は「返せる額」にするべし
住宅ローンを組むうえでもっとも大事な「借入額」。その設定方法の大原則は「借りられる額」ではなく「返せる額」にすることです。住宅ローン返済額の目安は、一般的に年収の25%までは大丈夫だといわれています。しかし、そう思って25%を住宅ローンで埋めてしまうと大変なことになる可能性もあるので要注意です。
住宅ローンの借入額の算出に居住費
居住費は住宅ローンだけではありません。固定資産税や保険料、マンションなら管理費がかならず必要になってきます。
また、退職金による繰り上げ返済を前提としたローンの組み方も危険です。自分が予想していた金額がかならずもらえるとは限りませんし、定年までに会社が倒産しない保証もありません。
住宅ローンの借入額の算出には、現在住んでいる住まいでかかる居住費をベースに考えることをおすすめします。賃貸の場合は家賃と管理費、駐車場代などの年間合計額。それとマイホーム購入後のローン返済額、保険料、固定資産税、修繕積立金などの年間合計額が同等であれば、ローンを組んでも問題ありません。
住宅ローンの借入額のほかにも問題
また、住宅ローンは借入額をいくらにするかだけでなく「いつまでに返すのか」という問題もあります。たとえば、フラット35は借りやすい住宅ローンですが、35年間返済し続けるというのもなかなかの負担です。
現在38歳の人なら、35年後には73歳。60歳を定年と考えると、その先にもまだ13年もローンの返済が残ってしまうのです。会社員の場合は、退職金を老後の資金に回すつもりで、60歳から逆算して借入期間を設定するのが無理のない安全な方法だといえます。
そして、完済できる額を考えるうえで、必要なのはやはり頭金。予算の基本は自己資金+住宅ローンです。借りやすいとはいえ、住宅ローンが長期にわたる借金であることに間違いはありません。夢のマイホームを叶えたい気持ちもわかりますが、返済能力が足りない場合は物件購入価格を引き下げましょう。