住宅資金贈与の非課税制度でお得にマイホーム
おそらくこれから、消費税率のアップに向けて各不動産会社や住宅メーカーなどは、家の購入をすすめる広告を増やしていくことでしょう。しかし、実際の税額の変動とそれによる制度の動向は複雑です。増税がそのまま反映されて、価格の2%分が増額されてしまうわけではありません。
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増税額と補助金の恩恵額シミュレート
経過措置によって金額に大きな差がつかない以上、欲しいと思う物件をみつけ、それを買えるだけの準備が整ったときが家の買いどきだといえます。
しかしそうはいっても、どうせ買うならできるだけ安くしたいと考えるのが人情です。増税によって減税や給付の金額が変わるのであれば、その前後のどちらで買えば自分にとって得になるか知りたいという人は多いはず。できるだけ安く購入するためにどこをみればいいのか、そのポイントを確認します。
増税額と補助金の恩恵額をシミュレーションするには「減税と補助金の恩恵額-増税により増える支払額」で計算します。基本的に消費税率アップによる増額と経過措置による減額分を比べれば、増税の前と後どちらに買うべきか、どの程度お得になるのかがわかります。
このうち、消費税による増額分は物件の価格によって決まるため、一概にはいえません。しかし、減税や給付金の金額は収入によって決まるので、シミュレートすることが可能です。
所得税額が低い人にはすまい給付金
まず、住宅ローン減税は上限40万円の控除が10年間にわたって受給可能。これは消費税率8%のときの割合なので、10%になればさらに増額される可能性もあります。ただしあくまで所得税からの控除なので、そもそも納める所得税額が少なければ、あまり効果がありません。
一方、所得税額が低く、この恩恵を受けられない人に用意されたのがすまい給付金。消費税率8%なら年収510万円以下の人を対象に上限30万円が、10%になると、775万円以下で最大50万円が給付されます。増税後に契約することで、年収525万円から775万円の人は、もらえなかったはずの給付金が10~40万円も受け取れることになります。
ただし、条件となっている年収はあくまでも目安。会社員か事業主かなどによって給付金額が変わるので、自分が受けられる給付金額などは事前に確認しておくことが必要です。
住宅取得資金贈与の非課税という制度
さらに、住宅購入のために両親から資金の援助を受けようと考えている場合、増税後はさらにお得になります。住宅取得資金贈与の非課税という制度によって、本来贈与税が課せられる資金援助も、住宅購入資金に限り非課税にできるのです。
とくに購入時期が増税後すぐなら、その効果は絶大。最大で3110万円もの非課税枠を得ることができます。この制度の魅力は、単純に住宅購入の負担減少になるだけでなく、両親の相続税対策にも役立つこと。2021年12月までが期限になっているので、この制度を利用したいと考えているなら早めに両親に相談し、増税直後のタイミングを目指して動くことをおすすめします。
住宅ローン減税は文字通りローンを利用している人を対象とした制度ですが、すまい給付金は所得が制限内なら誰でも利用可能。住宅資金贈与の非課税制度との併用もできます。
それを合わせて考えれば、増税後に購入した方がお得になるという人は決して少なくないはずです。まずは制度の条件を調べ、自分の状況を確認することから始めましょう。