中古住宅の引き渡し「現状有姿」の注意ポイント
中古住宅は、そのままの状態で引き渡す「現状有姿」が一般的です。壁にヒビが入っていたり、給湯器などの設備が傷んでいても、それを前の住人や不動産会社が修復する義務は基本的にはありません。そのままの状態で販売されるため、購入する側は書類を元に実際に建物の状態を確認しておく必要があります。
中古住宅に瑕疵担保責任という取り決め
だからこそ重要になるのが、中古物件を買う際の設計図書の有無です。このほか、とくにチェックしておいた方がいいものに、建物の状態などの重要事項が書かれた「重要事項説明書」と、建物に付帯する設備の有無などが記された「付帯設備表」があります。
これらの書類は契約時に初めて開示されるものですが、できれば事前に請求して、内容を確かめてから契約を交わすようにしましょう。
しっかりした仲介会社であれば、さまざまな書類を自発的に提示してくれますが、なかには必要最低限の事項しか提示しない会社もあるので、そういった場合は買主側が調査しなければなりません。
また、中古住宅の引き渡しは現状有姿が基本ですが、引き渡し後に、契約時にはわからなかった重大な瑕疵(欠陥や不具合)がみつかることも。その場合のために、売主側が不具合を直す責任を負う「瑕疵担保責任」という取り決めがあります。
「瑕疵」は木部の腐食、シロアリの被害、雨漏り、給排水管の故障といった建物の基本構造に関わる欠陥や不具合で、通常は契約書にも明記されています。瑕疵の責任期間は売主が法人の場合と個人の場合で異なりますが、築20年以上の古い物件はほとんどが免責になります。
中古マンションの階高は290㎝以上
将来的にリフォームを見据えているのであれば、マンションの階高(床面から上階の床面までの高さ)に注目してください。階高に余裕があれば、天井裏に照明の電気配線や配管を通す空間がある二重天井が設けやすくなります。
また、床の高さを均一にしてバリアフリー化も進めやすくなります。長く住むことを考えているのであれば、階高は290㎝以上あるのが望ましいです。
ちなみに、マンションの場合は玄関ドアやベランダなどは共用部分とみなされており、勝手にリフォームすることは不可。工事ができる部分は、事前に確かめておきましょう。
新築マンションは建物が完成していないので内覧がほとんどできませんが、中古だと建物の広さや眺望、共用部分の管理体制などがチェックできます。自分の目で確かめて、好みの物件を選びましょう。