ゆとりのある間取りのためのチェックポイント
家を建てる際に頭を悩ませるのが、間取りのプランです。家族構成や人数、年齢によって理想の間取りは異なるので、まずは家族で話し合い、予算や土地環境を考慮したうえで紙に書いてみましょう。また、間取り構成には立体的な捉え方も大切。建築物には「斜線制限」という高さ制限もあるので、場合によっては間取りを諦めなければいけません。
間取り係数が高いほどゆとりある家
採光や風通しも大事な要素のひとつ。大きい窓は光が入りやすく、開ければ風通しもよく開放的な気分になります。しかし配置によっては外からの視線が気になるため、不透明ガラスや植栽での目隠しの工夫が求められるのです。
車を所有している場合は、車庫のサイズなども要確認。車に合わせた家づくりも求められます。長く住む家だからこそ、いろいろな条件に合う家を考えなければいけません。
さらに、住居のバランスを考慮するうえで参考になるのが、建築家の吉田桂二氏が考案した「間取り係数」です。住まいは、リビング・寝室・ダイニング・子ども部屋などの「基本の部屋」、玄関・キッチン・トイレ・洗面所・浴室・階段などの「ゆとりスペース」で構成されます。
そのうち、ゆとりスペースは基本の部屋の0.5~1.0倍の面積で納まる傾向にあります。基本の部屋の合計面積にゆとりスペースを加えた値が「間取り係数」で、係数が低いほど窮屈な家に、係数が高いほどゆとりある家になります。
間取りを考えるのに表動線と裏動線
さらに間取りを考える際は人の動きも考えなければいけません。建物内を人が自然に動くときに通る経路のことを「動線」といい、その効率が悪いとストレスの元になります。たとえば、浴室から寝室にいくのにリビングを通るルートだと、お客さんがきたときに不便です。
動線には家族以外の来訪者が使う「表動線」と、家族内の「裏動線」がありますが、このふたつが重ならない設計をすることがポイントとなります。
なかでも重要なのが、日常の家事で使用する「家事動線」。とくに洗濯機から物干しスペース、キッチンからダイニングなどは頻繁に移動するので、なるべく近く、移動しやすい設計にしたい部分です。
昔は廊下が動線の基本でしたが、最近ではリビングからキッチンや2階などに直接いけるような間取りが増えています。廊下をなくすと、居住スペースが広がり、リビングを介してコミュニケーションがとりやすくなるのです。家族の数だけ、間取りの種類もあるので、事前にいろいろとみておきましょう。