医療保険は自営業者なら日額1万円がおすすめ
保険会社の医療保険のパンフレットに載っている金額は、実はこの「高額療養費」を適用する前の金額です。高額療養費を前提に考えれば、1カ月に必要な医療費は、せいぜい10万円程度でしょう。はたして、医療保険はどのようなプランに入るのがおすすめなのでしょうか?
医療保険での準備はおすすめしない
入院中の病院食の費用も健康保険から支給される「入院時食事療養費」が適用されるので、一般の人であれば負担額は一食につき360円で済みます(2018年4月以降は1食につき460円)。
一日3食で1080円ですから、1カ月入院しても3万2400円。その他の経費を加えても15万円程度あれば事足りることになります。
当然個室の病室に入れば、個室代もかかるし、入退院にタクシーを利用すればタクシー代もかかるでしょう。でもそんな費用まで、保険で準備するという考え方はおすすめできません。 負担になる医療費を保険で補いたいというのなら、入院日額5000円もあれば充分です。
とはいえ、入院すると必要な費用は、医療費だけとはいいきれません。医療保険に加入する目的として、医療費の支払い以外に、入院することによって失ってしまう収入の補填があります。
自営業者は医療保険の検討がおすすめ
会社によって異なりますが、入院時の収入については、一般的に公務員や大企業に勤めている人は、ほとんど気にする必要はありません。なぜなら会社の福利厚生がしっかりと行き届いているので、入院したからといって給料がもらえなくなるといったことはないからです。
問題は中小企業のサラリーマンと自営業者です。サラリーマンであれば、大企業・中小企業を問わず、入院した場合には4日目以降に最長1年6カ月間、給料(正確には標準報酬日額)の3分の2程度の額を社会保険から傷病手当金として受給することができます。
しかし、自営業者(国民健康保険加入者)には、傷病手当金の支給はありません。ですから、入院すると無収入になってしまう可能性があります。この点を考慮すると、中小企業勤務の人は入院日額7000円程度の医療保険への加入を、自営業者は入院日額1万円程度の医療保険への加入を検討するのがおすすめです。
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