ハリー・ポッターのダドリーは原作では暴力的
映画のハリー・ポッターでは、上映時間の都合からか、原作の多くのシーンがカットされています。このため、原作と映画で受ける印象が変わっているキャラクターがいるのですが、その一人がダドリーです。原作のダドリーは、かなり暴力的です。原作と映画のダドリーの違いを見ていきましょう。
ダドリーと子分が行う「ハリー狩り」
自分がハリーを殴るのはもちろん、ピアーズ、デニス、マルコム、ゴードンという子分がいて、「ハリー狩り」も行っています。「ハリー狩り」というのは、原作では冗談っぽく「お気に入りのスポーツ『ハリー狩り』」という表現です【第3章】。
しかし、実際は大勢で寄ってたかってハリーを追い掛け回す(そして、おそらくは捕まえた後は乱暴する)暴力行為。端的にいえばいじめです。
ダドリーには拳を振るうことに関する才能もあったらしく、4年後の「不死鳥の騎士団」の時点では「英国南東部中等学校ボクシング・ジュニアヘビー級チャンピオン」になっています。
しかし一方で、精神的には成長しておらず、弱いものいじめは続けています。ちなみに、ダドリーがボクシングで強くなったのは1年間の厳しいダイエットのおかげなのですが、このダイエットを始めた頃の様子は、「炎のゴブレット」に書かれています。
些細なエピソードが、思わぬところで関連しているのを見つけるのはハリー・ポッターを読み返すときの楽しみですが、これもその一つです。
ハリーがダドリーと和解するシーン
このようなある種の逞しさを持った原作のダドリーに対して、映画のダドリーは、ハリーに直接的な暴力を加えるシーンは少なく、ボクシングの件にも触れられていないので、暴力的な人物であるという印象はあまりありません。
そのため、映画では「甘やかされてダメになった子ども」というダドリーのもう一つの側面の印象が強くなっています。原作の「謎のプリンス」でダンブルドアが言った「その哀れな少年(ダドリーのこと)が被ったような、言語道断の被害」というのは、甘やかされて成長したことを指しています。
映画ではカットされたダドリーに関係するシーンとして、ハリーがダドリーと和解するシーンもあります。ダドリーがハリーに吸魂鬼から助けてもらったことに対して、ぎこちないながらもお礼をするシーンですが、バーノン一家との関係の締めくくりに当たることからしても、カットされてしまったのが惜しまれるシーンです。
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