残価設定プランは自動車販売店がうれしいだけ
自動車購入費用に心許なさを感じている人が、まず検討するのが「残価設定プラン」だと思います。これは、自動車ショールームを訪れると、かなりの確率で店員から得だとすすめられるものです。では、この「残価設定プラン」とは、どのような内容のもので、本当に得なのかを見てみましょう。
残価設定プランは26万円以上の利息
残価設定プランとは、あらかじめ設定した年数、たとえば3年後の車両の下取り価格を差し引いて、残りの金額を3年間の分割払いにするというプランです。自動車価格の全部を分割払いするのではなく、将来の下取り価格を差し引いて残りを分割払いするので、その分安くなり、得するというのが理屈です。
しかし、この支払い方法にはものすごく注意が必要です。トヨタ自動車のホームページに掲載されている計算例を見てみましょう。なお、わかりやすいように、単位などの表記や細かい表現は本書表記に合わせ、説明の一部を補足・省略しています。
もうおわかりですね。残価設定プランは180万円の自動車を購入するのに支払う金額は206万2380円。つまり26万円以上の利息を支払うわけです。
残価設定プランをすすめる販売店
3年間で26万円の利息。これはかなりの金額ですね。消費税が8%から10%へと2%増税されると180万円は183万6000円になるだけです。差額は3万6000円にすぎません。現金がないからといって焦って購入するよりも、しっかりと貯蓄して購入したほうがいいのはいうまでもありませんよね。
自動車販売店は、数年に一度買い替えが発生するほうが営業的には助かります。ですから積極的に「残価設定プラン」をすすめてきます。
もちろん3~5年に一度、定期的に新車に乗り換えたいのであれば別です。そうでなければ、「自動車は現金で購入し、できるかぎり長く乗る」というのが、実は一番家計に優しい購入方法なのです。
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