ハリー・ポッターと呪いの子は期待通りの完結編
『ハリー・ポッターと呪いの子』は、演劇という形でありながら、原作者のJ・K・ローリング氏によってハリー・ポッター・シリーズの「完結編」として認められた作品です。まさに多くの読者にとって、「こうでなくちゃ!」と喜ぶことのできる作品なのでした。
ハリー・ポッターと呪いの子は完結編
世の中には、「完結編」として作られていながら、「見なきゃ良かった」「読まなきゃ良かった」という作品もたくさん存在します。多くは、作品自体としてはすでに完結していたものを、観客や読者の要望と称する「大人の事情」により、無理矢理に続編として作られたもののように思われます。
それに対し『ハリー・ポッターと呪いの子』は、シリーズが7巻で終わるが故に書ききれなかった部分を、書き足して完結させるという型式で成功した、希有な作品だろうと思われます。
「死の秘宝終章」で、ハリーの次男アルバスがホグワーツ特急に乗る際、「僕、スリザリンだったらどうしよう?」と悩みます。それに対しハリーは「組み分け帽子は、おまえがどっちを選ぶかを考慮してくれる」と約束しています。
呪いの子で付け加えられた設定とは
ここでほとんどの読者は、「アルバスは、もちろんグリフィンドールに行くことになるだろう」と、安心して本を閉じたことでしょう。
ところが『ハリー・ポッターと呪いの子』の作り方は、悪戯を仕掛けるハリーたちのように、アルバスをスリザリンへと誘います。
そしてアルバスの親友となるスコーピウスは、なんとドラコ・マルフォイの一人息子です。しかも、スコーピウスには「ヴォルデモートの息子かもしれない」という噂がつきまとっているという設定が付け加えられています。
また、同じく「終章」で、ロンが娘のローズに対し、「あいつ(スコーピウス)とあんまり親しくなるなよ、お前が純血なんかと結婚したら」と、何やら暗示的なことを言っています。
■「ハリー・ポッター」おすすめ記事
アルバス・セブルス・ポッターはハリーの次男
アルバス・セブルス・ポッターの苦悩とは?
ハリー・ポッターのダドリーは原作では暴力的
映画でカットされたハーマイオニーの見せ場とは
ホグワーツはパブリックスクールをモデルにした