ハリー・ポッターと呪いの子はこれまでの続編?
『ハリー・ポッターと呪いの子』の原題は「Harry Potter and the Cursed Child」。ロンドンで2016年7月30日に舞台上演が開始された、二部構成の演劇です。『ハリー・ポッターと呪いの子』は、これまでの続編なのでしょうか? これからも新作が続いていくのでしょうか?
ハリーポッターと呪いの子の執筆
『ハリー・ポッターと呪いの子』の物語は、原作者のJ・K・ローリング氏と脚本家のジャック・ソーン、演劇監督のジョン・ティファニーが共同制作したものを、ジャック・ソーンが執筆しました。
「死の秘宝」での戦いから19年後、父親になったハリーと、次男のアルバス、その親友であるスコーピウスを中心に描いたものです。原作者も関わった、原作者公認の続編・スピンオフ作品です。
『ハリー・ポッターと呪いの子』の書籍は演劇の脚本をベースにしたもので、英語版は舞台上演開幕と同時発売されました。ローリング氏自身が手を加えた「愛蔵版」も、いずれ出版される見込みです。
呪いの子を基にシリーズは続かない
ローリング氏は初日のレッドカーペットに登場し、記者から『ハリー・ポッターと呪いの子』を基に今後シリーズが続くか尋ねられると「それはありません」と回答しました。
「(ハリーは)この二つの劇でかなり大規模な旅に出ますからね。終わりでしょう。これは次の世代の話です。この上なく美しく実現したことに興奮していますが、ハリーについては終わりです」と語ったそうです。
なお、2016年9月1日に報道されたところでは、米ワーナーは現在、同作の映画化を企画しており、早ければ2020年の公開を目指しているそうです。
ロンドンでの『ハリー・ポッターと呪いの子』の舞台上演の際、話題になったのは、ハーマイオニー役にアフリカ系女優ノーマ・ドゥメジェニーが起用されたこと。ハーマイオニーといえば、英国の白人の女優エマ・ワトソンのイメージが強いため、賛否両論の議論が巻き起こりました。
ハリーポッターと呪いの子の改革
これに対し、原作者のローリング氏は、「設定は茶色い目、くせっ毛、ものすごく賢い。『白い肌』、としたことはありません。私は黒人のハーマイオニーが好きです」「ノーマはただこの役に最適だったから選ばれただけなのに。(脚本・演出の)ジョンが彼女をキャストしたと言ってきたとき、“まあ、それって素晴らしいわ”って言ったの」とコメントしました。
「たくさんの人種差別主義者たちが私に、ハーマイオニーがなぜ“白人になってしまった”のか教えてくれたの。本当に理解に苦しむ。私ははっきりと簡潔に、断固として、混じりけのない祝福と情熱を持って、ハーマイオニーは黒人女性であり得るって言明することにする」などと語っています。
これについては、欧米の文学作品において、「黒人と明記されていなければ、白人であるのが当然」とされる「常識」も問題視されており、『ハリー・ポッターと呪いの子』は「文学の改革」にもなり始めているようです。
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