ホグワーツは魔法を教えるより制御のほうが重要
ハリーがバーノン一家と動物園に行くと、ヘビの展示ケースのガラスが消えてしまう(映画ではガラスが元に戻って、ダドリーが閉じ込められる)という事件が起こります。これ以外にも、ハリーの身の回りでは、不思議なことが色々と起こっています。ホグワーツに行かなくても魔法は使えるのでしょうか?
ホグワーツ行きの列車の中で魔法
「謎のプリンス」では、ホグワーツ入学前のトム・リドル(後のヴォルデモート)が、手を触れずに物を動かしたり、動物を意のままにしたり、他人を呪ったりすることができたことが明らかになっています。
ハリーは無意識に、トム・リドルは意識的にという違いはあるものの、「魔法」というものを理解しないまま、不思議な現象を引き起こしていたことは同じです。
そして、ホグワーツ行きの列車の中では、ロンがスキャバーズの色を変えようとして魔法を使います。これは失敗しますが、それを見たハーマイオニーは、「私も練習のつもりで簡単な呪文を試してみたことがあるけど、みんなうまくいったわ」と言っています【第6章】。
原作ではセリフだけですが、映画では実際に「オキュラス レパロ」という呪文を唱えて、ハリーのメガネを直しています。どうやら、魔法というのは、人に習わなければ使えないというものではなく、ある程度は自然と使えるようになったり、教科書を読んだりしただけで使えるようになったりするもののようです。
ホグワーツでは魔法の制御を教える
ちなみに、映画のこのシーンは、原作にある「(ハリーは)丸いメガネをかけていたが、ダドリーの顔面パンチがしょっちゅう飛んでくるので、セロテープであちこち貼り付けてあった」という描写がカットされているので、少し分かりにくくなっています。
ハーマイオニーが呪文を唱えたときに取れたものは、メガネを補修していたテープだったんですね。ちなみに、「オキュラス」はラテン語で「眼」を意味する単語で、「レパロ」という物を修理する呪文は、この後も度々登場します。
ダンブルドアによれば、ホグワーツでは「魔法を使うことを教えるだけでなく、それを制御することも教える」とのことです【謎のプリンス第13章】。魔法学校というと、魔法の使い方を教える学校というふうに考えがちですが、魔法を制御することを教えるほうに重要な意味があるのかもしれません。
特に、マグルの両親から生まれたり、子どもが成人する前に親が亡くなっていたりした子どもの場合には、魔法を制御する方法を学ぶ場所は学校以外にありませんから、その必要性が高そうです。
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