老後の貯金に関する2つの大きな認識のズレとは
定年後の生活を支えるのがお金であることは、誰もがわかっています。引退からの生涯で、夫婦ふたりが安心して過ごすためには、老後の生活に8000万円から1億円が必要などという話もよく聞くことでしょう。老後の貯金に関する2つの大きな認識のズレについて解説していきます。
老後の貯金でまかなう必要はない
老後の生活に必要な金額の大きさに愕然とする人が多いでしょうが、それほど驚く必要はありません。なぜなら年金があるからです。もちろん、平均的な夫婦ふたりの年金額22万円あまり(月額)では、必要額をすべてまかなうことはできません。
それでも、すべてを老後の貯金でまかなう必要はないということ。必要額の半分以上は年金から確保できます。
ただし、そこにはやはり認識のズレがあるようです。退職後のさまざまな調査を行っているフィデリティ退職・投資教育研究所によれば、定年する人が予想する隠退生活と人生は、実際のものとは少なからず相違があります。
できるだけ、早いタイミングでそのギャップを解消することが成功への秘訣です。では、老後の貯金に関してどのようなズレがあるのでしょうか。
老後の貯金で暮らしていく期間の差
老後の貯金に関する認識のズレで大きなところは2点。退職年齢と生涯です。定年がみえてきた現役の人が希望する退職のタイミングは65・7歳ですが、実際は59・3歳が退職者の平均年齢となっています。
一方、いつまでの生活を想定しているかといえば、一番多いのが68・2%の84歳です。しかし、現実には60歳の人のうち2割は95歳まで生きるというデータがあるのです。
このギャップは、老後の貯金と年金で暮らさなければならない期間の差として現れます。現役の人が期待するその期間は18・3年。それが実際には35・7年と、ほぼ倍近くまで伸びてしまう可能性があるのです。
当然ですが、もし65・7歳の退職で84歳までの人生を考えてマネープランを組んでいると、なんと17年以上も資金不足のなかで生活しなければいけない人生になってしまうことさえあり得ます。
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