2025年問題から老後の生活費を考える必要がある
日本では、団塊の世代といわれる戦後のベビーブーマーがボリュームゾーンで、ピラミッドの真ん中部分が多いいびつなかたちとなっています。数年前から定年を迎え始めたこの世代が、すべて75歳以上の後期高齢者入りするのが2025年。それに伴うさまざまな社会的影響が「2025年問題」です。
老後の生活費となる年金制度の破綻
2025年問題は国民の3人にひとりが65歳以上、5人にひとりは75歳以上。たとえば、すでに大きな社会問題となりつつある認知症が1200万人に達し、10人にひとりという状況が想定されています。
老後の生活費で重要になる年金制度や社会福祉の破綻を予想させる大きな要因のひとつも、この人口ピラミッドの構造にあることは間違いありません。その一方で、現実はそこまで悪くないという見方もあります。
「闇は夜明け前が一番深い」といわれるように、現在の経済環境・社会環境は2025年に向けて下落していくと予測されていますが、一度底を過ぎれば、時間経過と共に改善されていくとも考えられているのです。
もちろん、少子高齢化の影響で、現状のままでは定年人口の増加を補うだけの新たな労働可能層の確保は困難かもしれません。その対策のひとつが安倍政権の「ニッポン一億総活躍プラン」です。
働くことが老後の生活費をサポート
60歳定年後も仕事をしたいと考える人の割合は、男性では7割超、女性でも6割に迫っています。しかし、厚生労働省の調査によれば、全年齢でみると女性の就労率は、依然、男性と比べて20%以上も低くなっているのです。
話題にのぼる外国人労働力の受け入れと同時に、これら国内の潜在労働力を活用すれば、少子高齢化の影響を低減させることも可能と考えられています。
環境悪化が避けられない2025年に向け、この労働力問題を筆頭に日本経済を活性化させる施策を実効化することができれば、その後の見通し改善は十分期待できます。
年金は物価スライド制で経済状況に比例します。定年だからといって現役を離れるのではなく、勤労意欲がある場合は働くことを継続することが、けっきょくは自分の老後の生活費をサポートする結果につながるのです。
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