KING-MASAがアメリカで最初に並んだショップ
2008年の夏。KING-MASAはそれまで暮らしていたオーストラリアからアメリカはL.A.に渡った。新しい国で、新しい生活のスタートだ。この地で最初に並んで購入したスニーカーは、NIKEとKAWSがコラボした、エア マックス 90プレミアムと、エア マックス 90 カレント プレミアムだった。
KING-MASAの思い出ショップ
購入店は当時ハリウッドに2年間ほど限定オープンしていたNSW(NIKE SPORTS WEAR)のポップアップストア、モンテバーン。今はもうなくなってしまったが、アメリカでのスニーカーライフのスタートを切った、KING-MASAにとって思い出深いショップだ。
リリースは10月中旬の土曜日。最初はどんなモデルが発売されるかさえわかっておらず、NIKE × KAWS エアフォース 1 の発売だという噂もあった。すべてが手探りのスタートだったのだ。
発売日の2日前。学校の新学期前で時間を持て余していたKING-MASAは、ハリウッドのNSWの前を車で流していた。すると、ショップの前に人だかりができているのに気付いた。まさかもう並び始めているのか?
アメリカでの並びの勝手がよくわからず、リリース日の早朝に並べば買えるだろうと思っていた自分の甘さを後悔した。慌てて家に帰り、椅子と毛布を掴んでショップに急行する。
KING-MASAは慌てて車を移動
オーストラリア時代も何度か購入のために並んだが、徹夜までしたことはなかった。アメリカでは初っ端から2日も徹夜する羽目になるとは……。
ショップに到着したのち、とりあえず店の前に車を停めて、行列に椅子を並べる。すると、どこからともなくマッチョな警官が現れて「すぐに車をどけないと、レッカーするぞ!」とどやされる。KING-MASAは慌てて駐車場に車を移動する。
ナイトクラブやレストランが密集するエリアだ。夜の駐車場代は高くつく。立て続けにネガティブなことが起きて、心が折れそうになる。これがアメリカか。でも、ここで負けるわけにはいかない。
僕は自分を奮い立たせたが、一旦列に並んでしまうと、今度は拍子抜けするくらい淡々と時間が過ぎていった。友人もおらず、何もすることのないKING-MASAは、ただボーっとハリウッドの道を行く車を眺めていた。
KING-MASAのナンバーは41番
翌日の金曜日になると、列に並んでいる連中が店員に「早めに整理券を配って、家に帰らせてくれ!」と交渉を始めていた。今回発売されるスニーカーが店内に展示されたことで、並んでいる目的もはっきりした。その日、KING-MASAは一度帰宅することにした。いよいよ明朝が本番だ。
土曜日。リリース時間の8時前後に戻ると、行列はついに100人を超えていた。人ごみの中では、アメリカ人同士のバトルが始まった。放送禁止の4文字が飛び交う。今ではもう慣れっこの光景だが、当時のKING-MASAはビビって縮こまっているしかなかった。
そんなカオスな状態の中でも店員は淡々と引き換え証となるリストバンドを配る。KING-MASAのナンバーは41番。やっと目当てのものを手に入れる確証を得られた。そして数十分後、無事、目当ての2足をゲットしたのだった。
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