ガスブローバックのリアルな動作には歴史がある
実銃と同じようにスライドが後退・前進するトイガンのアイデアは、ガスの力を使ってBB弾を撃つ「ガスガン」が登場して間もなく、いくつか考え出され市販もされてきた。だがそれらの多くは「リアルな作動」からはかけ離れたものだった。ガスブローバックがリアルな作動となるまでの歴史を振り返る。
リアルで迫力あるガスブローバック
まず最初に登場したガスブローバックは、「ツーウェイ方式」と呼ばれるものだ。トリガーを少し引くとまずBB弾の発射だけが行われ、そこからさらに引くとスライドが後退・前進するというもの。
力を込めて勢いよく一気にトリガーを引かないと、「BB弾の発射→ブローバック」が別々に行われていることが一目瞭然となってしまうという哀しい欠点があった。
次に登場したガスブローバックが「アフターシュート・ワンウェイ方式」である。トリガーを引くとまずブローバックが始まり、その途中でガスのルートが切り替わってBB弾が発射されるというものだ。
ブローバック作動とBB弾発射がほぼ同時に行われるため、非常にリアルで迫力のあるブローバックを楽しめる製品として人気を博した。しかし弾が狙った場所よりも下に当たってしまうという欠点があった。まずスライドが後退し、その反作用で銃口が下を向き始めたときに弾が発射されるからだ。
ガスブローバックで命中精度を実現
1993年、ウエスタンアームズが画期的なメカニズムを持ったガスブローバック、「ベレッタM92FS」を発売した。チャンバー内にBB弾が装填されると「フローティングバルブ」を後方に押し、ガスルートを「BB弾の発射」へと切り替える。
トリガーを引いて弾を発射するとフローティングバルブは前進し、ガスルートが「ブローバック作動」へと切り替わってスライドの後退が始まる、というメカニズムだ。
BB弾そのものをガスルートの切り替えスイッチとして使用するという斬新なアイデアにより、誰もが夢描いた、BB弾が発射されてからブローバックが始まる「プレシュート・ワンウェイ方式」が誕生したのである。
リアルで迫力のある作動と、狙ったところに思い通りに弾が当たる命中精度の両方を実現し、さらにスライド後退時にはブローバック・メカニズムはスライド内部に引きこまれるため外部からは「オモチャっぽいメカニズム」が一切見えないという外観上のリアルさも高かった。
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