航空無線で航空機には2通りコールサインがある
航空無線を聞けば、航空機の動きが前もって分かるため、“ヒコーキ写真”を撮る人にとってはマストアイテム。それ以上に大空を飛ぶ航空機からの声が聞こえてくるということだけでも、夢とロマンがあります。そこで、航空無線で覚えておきたい基本的なお約束を紹介しましょう。
航空無線で風向きは3ケタの数字
日本航空1206便は「せんにひゃくろく」と発音しますが、航空無線では「ワン・ツー・ゼロ・シックス」と1字ずつ発音。聞き間違いを防ぐための、航空無線ならではのお約束です。
航空会社によっては1ケタの便名もありますが、この場合は頭に0を2つ付けて「ゼロ・ゼロ・ツー」というように発音する場合もあります。多くの便が3ケタか4ケタの便名を使っているので、これに合わせる形です。
また、航空無線では風向きはその角度を3ケタの数字で表すのですが、これもやはり「ゼロ・ナイナー・ゼロ(90度方向からの風)」という風に表します。
一方で高度に関しては14,000フィート以上は「フライトレベル・ツー・ナイナー・ゼロ(290)」という風に1/100にして表します。しかし、それ以下になると「ツータウザント、ファイフハンドレット(2,500)」と数字をばらさずに読みます。
航空無線のコールサインの基本
いま紹介した数字のカタカナ表記に独特なものがありますが、これは間違いではありません。数字の聞き間違いを防ぐためなどの理由で、「ファイフ」や「ナイナー」などの独自の読み方が決められています。
航空無線の交信で使用する名前のようなものを、コールサインと呼びます。飛行場などの管制では「空港名+管制席名」がコールサインの基本。東京国際空港の飛行場管制席なら「東京TWR(タワー)」です。中部国際空港はコールサインに空港の愛称「セントレア」が使われているレアな例です。
一方、民間の航空機側は2通りのコールサインがあります。一般的に用いられるのは、航空会社に付けられたコールサインで使用する名称と便名の組合せ。日本航空なら「ジャパンエア」、全日本空輸なら「オールニッポン」と、航空会社名が想像しやすいものが付けられています。
航空無線の難解なコールサイン
中には「オレンジライナー(ジェットスター・ジャパン)」や「ニュースカイ(ソラシドエア)」といった、ちょっと難解な航空無線のコールサインも…。海外には「スピードバード(ブリティッシュ・エアウェイズ)」など、独特なコールサインもあります。
もう1つは、航空機の登録記号をそのまま使うもの。航空機には自動車でいうナンバープレートのような固有の記号が付けられており、例えばフジテレビの取材ヘリには、そのものズバリの「JA08CX」という登録記号が付けられています。
この場合「ジュリエット・アルファ・ゼロ・エイト・チャーリー・エックスレイ」とフォネティックコードを使って読み上げることでコールサインとします。
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