アグレッサー部隊は普通の戦闘機と違う迷彩塗装
航空自衛隊の「F-15J」といえば、グレーを基調とした目立ちにくい迷彩塗装を施した姿が一般的なイメージ。しかし、飛行教導群、通称「アグレッサー」の機体は、青や茶色を基調にした迷彩柄など、一見して普通の戦闘機とは違うハデな塗装をしています。
アグレッサーは日本語で「侵略者」
そもそも飛行教導群とは、戦闘機パイロットの技量を向上させるために、戦闘訓練時に敵役として対峙する専門の部隊。アグレッサーを日本語に訳すと「侵略者」。飛行教導群のコールサインは、神を意味する「GOD」です。
アグレッサーの部隊マークにはコブラが描かれています。パイロットも操縦の技量はもちろん、指導能力にも優れたエリート中のエリートが選抜されています。
1981年のアグレッサー部隊創設時は航空自衛隊築城基地をベースとしており、その後、新田原基地へと移転。使用機は当初は「T-2」高等練習機でしたが、1990年にF-15DJに変更され、今に至っています。
迷彩柄の独特な塗装から航空マニアの間で人気の機体となり、長らく新田原基地はアグレッサーを一目みたいというマニアの「聖地」として名を馳せていました。航空祭でも迫力のあるフライトを見せてくれるので、全国から航空マニアが集まってきたのです。
アグレッサー部隊が小松基地へ移転
その飛行教導群であるアグレッサー部隊が2016年6月、小松基地へと移転してさっそく訓練をスタートさせました。
新田原基地があった宮崎県は、野球チームなどがキャンプ練習を行うほどの晴天率が高い地域です。このため訓練する時間を多く取れるため、アグレッサー部隊のベースになっていました。
一方、小松基地は日本海側で天候には恵まれず、フライトを行えない日数が新田原基地よりも多いことが予想されます。しかし、それ以上にアグレッサー部隊に有利となるのは訓練空域の存在です。
能登半島の先の日本海上空には日本で最も広いとされる「G空域」が広がっています。小松基地のすぐそばで自由に飛べる広大な空域があるということが、アグレッサー部隊移転させる大きな理由となっていると見られています。
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