ブルーインパルスの飛行内容は雲の高さで変わる
ブルーインパルスの展示飛行は「課目」と呼ばれる1つ1つの飛行演技を連続的にプログラムした「区分」に基づいて行われます。この区分は第1区分から第4区分に分かれています。区分けの基準になるのが、飛行空域に発生している雲の最低高度(雲底)と、どれだけ遠くを見渡せるかの視程です。
ブルーインパルスの課目が変わる
ブルーインパルスのアクロバット飛行は、有視界飛行によって行われるので、視界を遮る雲がどの高さまで降りてきているのかによって、行える区分が変わってきます。すべての課目を行うのが第1区分で、雲の最低高度が低くなるに連れて、第2区分、第3区分、第4区分と下がっていきます。
27の課目がプログラムされる第1区分と第2区分、課目が3つ減って24になる第3区分と第4区分に大別されます。
垂直系と呼ばれる第1区分と第2区分は大差なく、高度9,000フィート(約2,740m)を必要とする垂直面(バーティカル)に8の字を描く「バーティカルキューバン8」が、水平面に8の字を描く「キューバン8」に変更されるだけです。ブルーインパルスの課目が劇的に変わるのは第3区分と第4区分になります。
ブルーインパルスの展示飛行が中止
両者に大きな差はないのですが、雲の位置が低いので、第1・2区分で行われていた高度5,500フィート(約1,680m)を必要とするループ系の課目、「デルタループ」「チェンジオーバーループ」「ワイドトゥデルタループ」と高度8,500フィート(約2,590m)までデルタ隊形で上昇する「スタークロス」に変わって、後半の課目が水平系のロールを主体とする課目に差し替わります。
第3・4区分では高低差を利用した課目は見られませんが、第3・4区分でしか行われない課目がたくさんあるので、下位の区分に見どころがないわけではないのです。
航空祭はいつも天候に恵まれるわけではありません。第4区分にも満たない雲底1,500フィート(457m)、視程5kmの場合、ブルーインパルスは通称“第5区分”と呼ばれる「編隊連携機動飛行」や“第6区分”の編隊は組むがロールしない「航過飛行」になります。
基地上空は雲が取れていても周囲の雲が低く、視程8kmが取れない場合も第5区分以下になります。そして空が雲で被われた雲底1,200フィート(約370m)以下になると展示飛行は中止。ただ、集まったファンに応えるため、出発準備のウォークダウンと滑走路上でスモークチェックを見せてくれます。
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