不動産の相続手続きは期限もなく罰則もなかった
相続財産のなかでもとくに価額が大きく、トラブルの原因にもなりやすい財産のひとつが「不動産」です。不動産の相続で確認しておきたいのが、手続き自体に期限は定められていないということ。10年でも20年でも、被相続人の名義のままにしておくことができ、罰則などを受けることもありません。
不動産は相続しても建物や土地に変化なし
住居を始めとした不動産は、相続をしたとしても、当然ながら建物や土地自体に変化はありません。そして、名義人でないからといって、住んでいる家から急に追い出されてしまうこともないのです。
つまり、誰が所有権を持っていても、所有者から訴えられたりしない限りは住み続けることができます。所有者が故人になっていれば、訴えられる心配はなく、移転する必要はありません。
では、なぜ相続登記が必要なのでしょうか。それは、建物の修復や売買などの際には、所有者が手続きを行わなければならないからです。親から譲り受けた住居を受け継ぎ、住み続けるためにリフォームをしようと考えても、登記を変えていなければできない場合があるのです。
不動産の相続は先送りすると面倒になる
また、さらに問題になるのは、次の相続のときです。たとえば、祖父の代に建てられて父が受け継ぎ、さらに自分へと3代にわたって相続された住居があるとします。
その住居が古くなったためリフォームしたいと考えた場合、その所有者を自分に変更しなければいけません。もしこのとき、父が祖父から相続した時点で登記を行っていなかったら、自分が引き継いだ家の名義は祖父のまま。
この名義を変更し、所有権を得るためには、一度祖父から父に相続されたものとして所有権者を移転したうえで、さらに同様の手順で移転登記を行い、父から自分へと移さなければいけないのです。
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