宝塚の宙組の魅力はドラマチックなスケール感
フレッシュな空気が漂う宙組は、1998(平成10)年に新設された最も新しい組だ。宝塚大劇場、東京宝塚劇場での全組通年公演を実現させるために誕生した。当時、月組だった姿月あさとを中心に、各組から選りすぐったメンバーで結成された。記念すべきデビュー公演の舞台は、なんと香港だ。
宝塚5組で最も平均身長が高い宙組
宙組は芝居『夢幻宝寿頌』、ショー『This is TAKARAZUKA!』を引っ提げて、華々しく初舞台を飾る。宙組のフレッシュな勢いを世間に印象づけた。スタイルの良いスターがズラリと肩を並べる宙組は、宝塚5組の中で最も平均身長が高く、特に歴代のトップスターは長身で王子様のようなタイプが続いている。
これだけ長身スターが集まると、舞台上での迫力もまた格別。長身でパワーのあるスターがそろう宙組の舞台は、圧倒されるような迫力がある。立っているだけでも高層ビルがそびえ立つような雰囲気を醸し、群舞やコーラスになればさらに圧巻のスケールに。
スケールが大きいのはダンスだけではない。宙組の代名詞はなんといってもコーラスだ。『エリザベート』『激情』でカリスマ的人気を博した初代トップスターの姿月あさとは、突き抜けるような歌唱で伝説を残した。続く和央ようかも、やはり歌の名手だった。
長身ぞろいの宙組は食欲も旺盛
トップスターや特定のスターだけに頼る歌唱ではなく、ひとりひとりの力と個性がきちんと解き放たれる宙組のコーラスは、一体感がありながらも個が埋もれないので、非常に繊細でドラマチックに感じられる。
また、歌詞の説得力もあり、役や言葉の魂まで感じられるのも特徴だ。近年では芝居にも独特の味わいが出てきており、組の魅力が新しい方向にも伸びている。これから宙組が、どんな歴史と伝統を築いていくのか非常に楽しみである。
長身ぞろいの宙組は、食欲も旺盛だそう。差し入れは残さずいただくこともあったり、冷蔵庫の食べ物も無記名なら「みんなのもの」に。下級生は差し入れがあるとまずトップスターや上級生分を取り分けたりするそう。身長も実力もまだまだ伸びること間違いない。
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