宝塚の星組は華やかさで圧倒するスター集団
カラフルできらびやかなコスチューム、エネルギッシュな舞台。これぞ宝塚! というゴージャスな世界を味わえるのが星組の公演だ。東京宝塚劇場がオープンする前年の1933(昭和8)年に結成され、これまでにない華やかな男役を輩出してきた。
宝塚大劇場の記念すべき初公演も星組
1974(昭和49)年にトップに就任した鳳蘭は、派手な顔立ちで華のあるスターで、榛名由梨、汀夏子とともに宝塚黄金時代を築いた。次のトップ瀬戸内美八も、鳳に負けない太陽のような明るさで人気を博し、星組のゴージャスな雰囲気は代々受け継がれていった。
星組全体がまとう濃く明るく華やかな風土と、歌、ダンス、芝居のすべてにおける熱量の高さは、特に西洋の歴史物において輝きを増すようだ。これまでにも、『我が愛は山の彼方に』『戦争と平和』『紫禁城の落日』といった歴史大作の一本物を数多く上演してきた。
現在の宝塚大劇場の記念すべき初公演を務めたのも星組だ。紫苑ゆう率いる『宝寿頌』『PARFUМ DE PARIS』は、宝塚大劇場の新たなスタートを飾るにふさわしいものだった。
星組は宝塚ジャポニズムで台湾公演
また、星組は海外公演を担うことも多い。2013(平成25)年の台湾公演では『宝塚ジャポニズム』をはじめとする3本立ての演目で現地のファンを熱狂させた。この時のトップスター柚希礼音の退団公演千秋楽は、台湾でもライヴビューイングが行われた。
どんなに現実離れしたきらびやかで派手な衣装も違和感なく着こなして、大掛かりなセットの中でもしっかりと存在感を示せるスターが多いのが星組のすごいところ。また、濃いメイクを自分のものにでき、舞台で映えるのも星組ならでは。
星組で育つことによって自然と華やかな顔立ちやふるまい、オーラが身につくこともある。個性的でキャラの立つメンバーが多いことも、組がまとう独特のキラキラした空気を作り出す要因となっているだろう。
星組はノリの良さも抜群で、組全体が開放的で自由な空気があるため、劇場全体が独特な盛り上がりを見せることもある。手拍子の熱さ、激しさは初めての観劇でも一緒に入りたくなるほど。もちろん節度をわきまえた範囲だが、客席のノリの良さは星組公演のひとつの魅力かもしれない。
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