宝塚公演は男役トップスターが主役という大原則
宝塚というと『ベルサイユのばら』や『エリザベート』『風と共に去りぬ』など、お馴染みの大作を何度も繰り返して上演しているイメージを持っている人も少なくないだろう。しかし、宝塚歌劇の舞台は“新作主義”で、実は新しい作品の方が多い。しかも、主役は男役トップスターというのがお約束だ。
宝塚の公演の大多数が新作演目
宝塚歌劇団は2014(平成26)年に創立100周年を迎え、その上演回数は膨大な数にのぼる。それらの大多数が新作演目というのは、考えてみると、かなりの偉業だ。
また、ファンとしても、「ごひいきのジェンヌには新作を演じてもらいたい」というのが本音。その裏には、「役にハマればごひいきのスターの代表作として、長く語り継がれるような作品になるかも……」という期待感や、「その歴史的な初演を、今この目で観ている(のかも)」といったファン心理があるようだ。
再演しない舞台が多いということは、一度限りの上演ということでもあるので、観る側に力が入るのはいうまでもないだろう。
宝塚の主役は男役トップスター
そんな宝塚の上演作品は、海外のミュージカルから文学作品、マンガまで、様々なジャンルから題材が選ばれる。その多彩さこそが宝塚の魅力のひとつだが、どんな作品であれ、ヅカ舞台には大原則がある。
「主役は男役トップスター」というお約束だ。原作がある作品の場合でも、もちろんこの原則は守られる。例えば『風と共に去りぬ』の場合、主役はスカーレット・オハラのはずが、ヅカ舞台では男であるレット・バトラーがフィーチャリングされるのだ。
男役スターのカッコよさをいかに生かした舞台にするか、という点こそが、舞台を作るうえで最も重視されているというわけだ。宝塚の舞台では男役が主人公になるのが原則。宝塚舞台の魅力の神髄は“男役”なのだ。
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