管制塔は航空無線においても中心的存在だった
管制塔といえば、空港のシンボル的な建物。管制塔はその名の通りタワーと呼ばれ、そのままコールサインとなっている管制席、「TWR(タワー)」は、空港で使用される航空無線の中でも中心的な存在です。中規模~大規模な空港では、何種類かの管制席が設置されています。
管制塔からの指示を航空無線で仰ぐ
しかし、地方の小規模な空港では、TWR1波だけで航空無線を運用しているという空港も少なくありません(実際は全国共通の予備周波数、126.200MHzを加えて2波で運用)。管制塔のTWRがいかに重要なのかが、分かるでしょう。
航空機が滑走路で離着陸する場合、その空港の管制塔にいる管制官の許可が必要になりますが、それを航空無線で発出するのがTWRです。
また、空港周辺には「航空交通管制圏(以下、管制圏)」と呼ばれる空域が設定されています。管制圏の空域では、すべての航空機は管制塔からの指示を航空無線で仰ぎながら、飛行しなければならないと決められています。
空港周辺は離着陸する航空機が集中する場所。パイロットが周辺を飛行しているヘリコプターなどを見落とさないとも限りません。管制圏内の航空機の動きを掌握している管制官が指示を出したり、情報を与えることで安全に離発着ができるのです。
管制塔に管制官でなく情報官がいる
ただし、中にはTWRのない空港もあります。島嶼や地方空港の多くは「RDO(レディオ)」という周波数だけで運用されています。これらの空港には管制圏はなく、代わりに「航空交通情報圏(以下、情報圏)」が設定されています。
実際には空港に管制塔は建っていますが、中にいるのは管制官ではなく情報官。情報官は管制官のように航空機に対して離着陸の許可を出す権限はなく、情報を与えるのみ。情報圏内の飛行も基本的にはパイロットの裁量で、自由に飛んでいいことになっています。
これに伴って、航空無線の交信で使用する文言も変わってくるのですが、基本的にはTWRがある空港と同じような交信形態を取ることがほとんど。受信する上ではあまり違いを意識することはないでしょう。
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