日本語で楽しめる航空無線がカンパニーラジオ
エアーバンドといえば、管制官とパイロットの交信というイメージを持っている人が多いでしょう。航空無線も、ほとんどが管制の周波数を中心に聞いているはずです。 しかし、航空無線には他にも「カンパニーラジオ」と呼ばれるジャンルが存在します。しかも、日本語で楽しめる航空無線なのです。
航空無線でグランドスタッフが連絡
カンパニーラジオは、カンパニーの名の通り、航空会社の社内連絡用の航空無線。パイロットの交信相手は管制官ではなく、自社の社員。航空機の運航を統括する部署や各空港の事務所などです。
スムーズな運航のため、またグランドスタッフが効率よく動けるよう、航空無線で連絡を取り合っています。例えば、ある空港に航空機が着陸しようとしている時。APP(アプローチ)に開局してくる前に、カンパニーラジオからは、
航空機「ドリームエア高知、ドリームエア221便です。着陸はこの時間の35分を予定しています。スポットとアプローチ状況教えて下さい」
地上局「ドリームエア221、ドリームエア高知です。ランディング、この時間の35分了解いたしました。アプローチ状況ですが、他社便の報告ではところどころでライトな揺れがあるものの、おおむねスムーズであるとのことです。風はランウェイ32サイドが280から8ノット、14サイドは310から9ノット。スポットは2番です」
このような連絡が聞こえてくるのです。
航空無線で一斉に情報を流す運用形態
ATISの情報だけでは分からない、着陸の状況などを無線連絡しています。これを聞いていれば、管制の周波数からは分からない、おおよその着陸時間が早い段階で判明します。悪天候が予想される場合には、さらに詳細なリポートが送られます。
地上局「空港の南側およそ15マイルのところに、かなり強いレーダーエコー(気象レーダーで強雨を示す部分)があり、北東方向に移動しています。ちょうど着陸の時間にランウェイにかかりそうな感じです」
離着陸が多い空港で、悪天候により多数の航空機が上空でホールドしているような場合には、個別に情報を送るのではなく、カンパニーラジオの航空無線で一斉に情報を流す運用形態を取る航空会社もあります。
地上局「オールステーション、ドリームエア関東から一方送信です。現在の羽田空港の状況ですが、ゴーアラウンドが3機続けて発生しております。なお、発雷警報フェーズ3が発令されていますので、グランドの作業は中断しています。ドリームエア関東アウト」
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