スクランブルが増加する那覇基地の撮影スポット
今、日本と最も緊張関係にある国といえば、筆頭に挙げられるのは中国。東シナ海の尖閣諸島では領有権を巡り両者の駆け引きが熾烈になっています。そんな現場の最前線に位置する航空自衛隊那覇基地の現状を、エアーバンドを通じて見てみましょう。スクランブが増加する那覇基地リポートです。
那覇基地でスクランブルを受信
日本の領空に接近する中国の航空機に対して緊急発進(スクランブル)を行うのが那覇基地の重要な任務。那覇基地の割当て周波数をスキャンしていると「スクランブル!」という声が聞こえ、ほどなくしてアラートハンガーから2機のF-15Jが姿を見せ、轟音とともに飛び立ちます。
那覇基地の取材に行った数日間は1日あたり3回程度のスクランブルを受信できました。防衛省のデータ通り、中国軍機の領空接近が高い頻度で行われていることが感じられました。
多発する緊急発進に対応するため、築城基地の第304飛行隊が2016年1月に那覇基地へ移動。これに伴い、機体の部隊マークが目立ちにくいロービジに変更されています。
那覇基地の撮影スポットは瀬長島
官民共用空港でアラート待機を行うところは多いのですが、那覇基地の場合は管制を国土交通省航空局が担っているのが珍しいです。離陸もGND→TWR→DEPと手順を踏み、GNDではその後に使用するGCIのチャンネル名もしっかり伝達されています。
1年を通じて内外の観光客に人気のエリアということもあり、民間機の離着陸の頻度も高いのですが、緊急発進の場合でも到着する民間機があればそちらを下ろしてからF-15Jが離陸する運用が行われています。
一方は海に面し、もう一方は陸海空自衛隊基地に挟まれた那覇空港の中で、航空機撮影に最も適しているのが空港南側にある瀬長島。最近になって公園が整備され、空港が一望できる展望台などもできたことから、航空マニアが集まる撮影スポットとなっています。
やや高台になっているため、ランウェイ36の着陸機が目線に近い位置で飛んでいく姿は迫力。駐車場は十分ですが、トイレと自販機がないので注意が必要です。
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