確定申告はマイナンバー制度導入でどう変わる?
マイナンバー制度の導入により、平成28年1月から税や社会保障の手続きでのマイナンバーの利用と、マイナンバーカードの交付が始まっています。この制度は「公平・公正な社会の実現」「国民の利便性の向上」「行政の効率化」の3点を目的としています。この制度で確定申告は何が変わるのでしょうか?
確定申告はマイナンバー記載が義務
多くの人に関係することでは、健康保険など社会保障に関する手続きで住民票などの添付が不要になりました。また会社員の多くは、すでに就業先からマイナンバーの提出を求められているでしょう。
これは平成28年分の税務関係書類からマイナンバーが必要になるためです。個人事業主の場合は、取引先からマイナンバー提出を求められます。
証券口座を開設している人は、証券会社に届出なければなりません。平成31年1月以降も届出がない口座は取引停止になる可能性があります。あるいは100万円超の現金を海外へ送金する場合や海外から着金した場合、本人確認にマイナンバーが必要となります。
すでに、平成28年分の確定申告からは、申告書へのマイナンバーの記載が義務付けられています。確定申告書へのマイナンバー記載は法令上の義務です。
確定申告の申告書へマイナンバー
その理由のひとつは、所得を把握しやすくして不当な税金逃れを防ぐためです。これは「公平・公正な社会の実現」に該当します。国税庁は国税分野でのマイナンバー利用を「国税の賦課又は徴収に関する事務等に利用することができる」としています。
しかしマイナンバーの漏えいなど、不安もあります。そこで税務署などでは、マイナンバー制度導入直後の混乱を回避することなどを考慮し、確定申告の申告書にマイナンバーの記載がない場合でも受理することとしています。「記載は法令上の義務」ですが、罰則などはありません。
そこで気になるのが、確定申告の申告書へのマイナンバー記載で何が変わるのか?ということ。表向きには、申告書へのマイナンバー記載の有無による変化はありません。
記載がなくても税務署は、申告書に記載された氏名・住所・生年月日などからマイナンバーを調べることができるからです。だからこそ、マイナンバーの記載がない申告書でも受理する、という措置が取られているのです。
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