空港がない地域でも聞こえてくるエアーバンド
空港を飛び立って巡航高度に達した航空機のエアーバンドは、空港の管制を離れて航空路管制(ACC)にバトンタッチすることになります。日本の上空は、北から札幌・東京・福岡・那覇と4つの航空交通管制部が分担して管制を行っています。空港がない地域でも聞こえてくるエアーバンドを見ていきます。
セクターごとにエアーバンド割り当て
札幌・東京・福岡・那覇と4つの航空交通管制部それぞれの担当エリアは、さらに「セクター」と呼ばれる小さなエリアに分けられて、それぞれに違うエアーバンドの周波数が割り当てられています。
高度の上下によって別のセクターとして使われている空域もあります。例えば北海道の道東部分は21,000フィート以上の高高度は「北海道東セクター」、それ以下の低高度は「道東広域セクター」となっています。
高高度はセクター内を通過していく航空機を担当、低高度は広域レーダー進入管制という、空港にあるAPP(アプローチ)やDEP(ディパーチャー)と同じような役割を持っています。セクター内の釧路・帯広・十勝・中標津・女満別空港の離着陸機を担当しています。
エアーバンドで聞こえるコールサイン
セクターにはそれぞれ通し番号とともに名前が付けられています。先ほどの北海道の2つの他にも「武蔵」「播磨」「三河」といった、地域に合わせた名称になっています。
しかし、セクター名はエアーバンドの交信からは聞こえてくることはありません。管制側のコールサインはすべて「航空交通管制部名+コントロール」で統一されています。交信は針路や高度、速度に関する指示が中心となります。
那覇ACC「ドリームエア098、那覇コントロール。ターン レフト ヘディング280(ドリームエア98便、那覇コントロールです。左旋回で針路を280度にして下さい)」
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