フォネティックコードを読み解く航空無線の魅力
私たちが普段使っている携帯電話は、こちらが声を発するのと同時に相手の声を聞くことができる仕組みになっています。こちらの声の「送信」と相手の声の「受信」を同時に行うことで、普段の会話と同じ、自然な通話が可能です。しかし、航空無線は、話では当たり前の同時通話ができません。
航空無線は簡潔でテンポの良い交信
それは、携帯電話が送信用と受信用でそれぞれ異なる電波=つまり周波数が違う2つの周波数を使っている一方、航空無線は1つの周波数で通信を行っているからです。
例えば、「△△ですが、〇〇さん聞こえますか?」「はい、こちら〇〇です。△△さんどうぞ」というように、相手の声を聞いてからこちらが応答する…、このような周波数を交互に使ってのやり取りが無線の基本です。ちなみに無線の世界では、携帯電話のような同時通信を「複信(複信式)」、一般的な無線で広く使われている片側通行の通信を「単信(単信式)」と呼びます。
単信の無線は、誰かが送信中に割り込めないという制約があります。そのため、ダラダラしゃべって周波数を独占するのはNG。航空無線も簡潔でテンポの良い交信に徹しなければなりません。
フォネティックコード独特の発音
そのような事情でムダを省いた結果、交信そのものがパターン化されていることも多く、それを踏まえればエアーバンドを誰でもラクラク受信&理解できます。そして、パターン交信の中で頻繁に出てくる「フォネティックコード」(欧文通話表)は、エアーバンドを楽しむためにぜひ知っておきたいコトバの1つです。
有線通信と違い、無線は時にメリットが低下して聞き取りにくくなることもあります。そんな場合は、単語のアルファベットを1文字ずつ読み上げ、間違いを防ぐというわけ例えば「NARITA」なら、「N・A・R・I・T・A」(エヌ・エー…)という具合にです。
しかし、「A」を「エー」と発音すると「イー」すなわち「E」と誤認される可能性があるため、フォネティックコードで決められた独特の発音でやり取りします。そんな交信を耳から読み解くことも、エアーバンド受信の醍醐味の1つでしょう。
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