ミニチュアダックスを猟に連れて行くための訓練
ミニチュアダックスの「ブレッド」と、その飼い主の名雪さんによるコジュケイ・ヤマドリ猟に同行した。ダックスフンドは日本では主に室内飼いの愛玩犬として知られているが、元はドイツ原産の狩猟用のワーキングドッグであり、現在もヨーロッパを中心に、穴熊猟など狩猟シーンで使われている。
ミニチュアダックスの訓練は単純
ミニチュアダックスをヤマドリ猟に連れて行くための訓練は単純で、自宅でヤマドリの皮を釣り糸の先にぶら下げ、遊ばせながらニオイを覚えさせた。呼び戻しの訓練は特にしなかったが、室内飼いで日常生活を共にしているので呼び声には自然と反応するようになった。
周りの狩猟者からは「ダックスでヤマドリが獲れたら土下座する」とまで言われて馬鹿にされたが、名雪さん自身もそこまでブレッドに期待はしていなかったという。
しかし、その年の猟期、初めてブレッドを連れて林道を歩いたとき、ブレッドはいきなりヤマシギを出してくれ、撃ち獲ることが出来た。ヤマシギと遭遇するのは初めてのブレッドだったが、地面を這う何かのニオイに反応し、飛び立たせたことは事実。
「そのときはたぶん気になるニオイを追っていて偶然にヤマシギを出したんだと思います。でも、2回目の出猟からは明らかに『捜索』していましたね」
ミニチュアダックスの「猟犬の血」
ニオイの先に獲物を見つけ、飛び立たせた獲物を主人が撃ち獲る。一連の流れを出猟初日に経験したミニチュアダックスの「猟犬の血」は、瞬く間に目覚めた。2度目の出猟以降もブレッドはヤマシギのほか、地を這う狩猟鳥であるヤマドリ、キジ、コジュケイを飛び立たせ、ビーグル犬種のようにノウサギも追うようになった。
名雪さんによれば、地面を這う鳥の中でも、一番小さなコジュケイ(=ニオイも「小さい」と考えられる)を出すことが出来れば、ほかのヤマドリやヤマシギなども出すことが出来るという。そして、鳥が近いかどうかなどはブレッドの反応を観察していると分かるという。
例えば林道を歩く場合、まだ何もニオイが無いうちは、ブレッドは名雪さんのほんの少し前を、同じ歩調・スピードで歩いているが、ニオイが濃くなると早足になり、先へ先へ行こうとする。
尻尾の動きも重要だ。ニオイを見つけると尻尾が立ち、そこからニオイが濃くなるにつれて振り方が左右の横振りから最後は上下の縦振りになる。そのうち、ヤマドリなどが横切った場所を見つけると、そこからニオイを追って藪の中へ入って行く。
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